最近見た「食」系映画まとめ[いのちの食べかた/未来の食卓/キングコーン/ファイティングシェフ]

最近「食」関係の映画多いですね。特に啓発的なもの。からだの中にダイレクトに入り、命に一番関わってくる「食」について、どのようにして自分のもとにきているのか。便利になりすぎている現代で、たしかに疑問に思う所ですよね。
私が最近みた「食」系映画を年末なのでまとめてみました。

いのちの食べ方(ニコラウス・ゲイハルター監督)

食品啓発系の映画の火付け役ではないでしょうか。私もとても衝撃をうけた作品です。
食物が、食卓に上るまでにどのような行程を辿っているのかということを淡々と綴った作品。バックサウンドや、解説などは一切はいってなく、そのシーンそのシーンの実際の音と映像が続く映画です。それがとても客観的で、下手に解説をいれるよりも、「ただ事実を撮影しました。」というようなリアルさが伝わってくる作品だなという印象です。
あと、これはあまりいい捉え方ではないのかもしれないですが、妙に絵がきれいなんです。全ての作業が効率的で、機械で制御されていて、私たちが日々口にしている牛や、豚、鶏の命がクレーン作業で流れるようになくなっていくのですが、生き物を扱っているようにはみえなくて、ただ機械の流れ作業をみているようで。こうまでしないと生産が追いつかないような世の中になっているのですね。飽食ですね。
この映画は見る人によっていろいろな捉え方のできるものだと思いますが、誰もが、いのちに対して感謝することを思いなおすきっかけとなる作品だと思います。

未来の食卓(ジャン・ポール・ジョー監督)

この作品は、南フランス、バルジャック村の学校給食、高齢者の宅配食をオーガニック化するという試みを撮影したドキュメンタリー。日本とは違い食糧自給率が100%をこえるフランスでは、農薬の散布も日本とは比べ物にならない量です。映画の中で、ワイン製造用の葡萄を育てる農家の方が「農薬を撒く3日間は鼻血がとまらない。」というワンシーンがとても印象的でした。食糧自給率40%以下の日本にとっては、とても人ごとではないなぁと。。。
この作品の中心は学校給食のオーガニック化なのですが、子供達の意識が徐々に変わっていく様子をみていると、ほんの少しでも何かできることがあるのではないかと思いなおしました。特にお子さんや、大事な人と過ごしていると「だってしょうがないじゃん。」とはいってられないのではないかなと。

King Corn(アーロン・ウルフ監督)

タイトルの通りコーン(とうもろこし)が世界を制しているといっても過言ではないということを、アメリカの大学生がとうもろこしの知られざる制作過程に直面し、その行方を追っていくいうドキュメンタリー作品。コーンスターチバイオ燃料、飼料など、よくよく考えると何かしら関わっているトウモロコシなんですが、日本は100%輸入に頼っているという現状です。何を食べたらいいんだ!という症状に直面するかもしれませんが。。。
私は二年前まで、コーン畑に囲まれて過ごしていて、コーンフェスティバルたるものにまで参加していたので、結構衝撃映画でした。

ファイティング・シェフ〜美食オリンピックへの道〜(ホセ・ルイス・ロペス・リナロス監督)

上の3作品とは対照的な、食の美しさを追求したもので、二年に一度開催されるフランス料理の国際大会“ボキューズ・ドール国際料理コンクールに挑戦する一人のシェフをこれまたドキュメンタリーで追った作品。
タイトル通り、本当に闘っています。私も料理をする仕事にたずさわっているので、すごく痛感するのですが、料理は本当に深い。歴史、文化、感性、命・・・全ての人に関わることであり、いろいろな要素を含むものでもあるから、考え出すときりがない。。。だからこそ楽しいのですが。この映画は、料理のもつ美しさをとことん追求した作品だと思います。それは視覚的なことだけではなくて、味、香り、食感、制作過程、相手への配慮全てをふくんだものです。それを作り上げるには、何度も練習が必要だし、たくさんの人の協力が必要で。その過程がとてもいいなと思いました。是非、生の大会を見に行ってみたい。